2022/12.17
急変を経験されたスタッフさんの話
今回は、とある介護スタッフさんが経験した急変時のお話をコラムにさせていただきました。
現場でのお話はあまり聞けるわけではないのでよければ何かのご参考になればと思います。
こんにちは!30代介護福祉士です。
私が介護施設に勤務して間もない頃のお話をさせていただきます。
初めて介護施設での勤務。3ヶ月程は先輩にOJTについてもらっていましたが、そろそろ独り立ちをする時期となって初めて夜勤に入ったときのお話です。
いつものように定時の巡視時刻となり、順番に部屋をのぞいて眠れているのか、呼吸の確認やトイレ誘導を行っていました。
ある利用者の居室に入ったとき、何とも言えない胸騒ぎを感じました。
というのもいつもならいびきをかいて寝ている方なのですが、その日は全く聞こえず、ピタッと時が止まった?と思うような状態で眠られていたからです。
自分の手の甲を利用者の口元に近づけましたが息を感じることが出来ず、布団から出ていた首元や手を触ると、夏の時期にも関わらず冷たく感じました。
初めての経験で慌てていた私はすぐに別の夜勤者へ連絡し、状況を確認してもらいました。
その時はわからなかったのですが、硬直も始まっていたようでしてベテラン介護スタッフはおそらく…と感じ取っていたと後で話してくれました。
すぐに病院や施設管理者、ご家族への連絡をしてそのあとは慌ただしく他の利用者様の対応をしていました。
そして、朝の朝礼でその方が病院で亡くなられたことを知らされました。
その利用者は日常的に腹痛や背中痛を訴えている方で、便秘がちということもあり排便コントロールの薬を飲まれている方でした。夕方に行われる申し送りでも同じように腹痛の訴えがあると聞いていましたが、食欲はあると聞いていたので「いつものこと」と思っていた部分もあり、そこまで深くは考えていませんでした。
亡くなった原因は心筋梗塞だったと聞きました。
と、考えれば考えるほど悔しく、申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまいました。
そんなことがあったので夜勤をすることも怖くなってしまい、悩んでいた時期もありました。
そんな私の様子を見て他のスタッフや看護師が声をかけて励ましてくれたり、自身の体験談を教えてくれる方もいました。
私自身、溜め込んでいたことを吐き出せたことで少しスッキリし、こういった経験は自分だけじゃなかったんだ、と思えたことで気持ちが軽くなった部分もあれば、これからどのように仕事と向き合っていこうと考えていた時、ある先輩介護士に呼ばれてこう言われました。
すごく考えさせられた言葉でした。
仕事に慣れてきたことで業務的に進めてしまっていた部分もあり、その言葉は仕事に対する姿勢を変えるきっかけになりました。
それからは日中帯の勤務では必ず1回は会話をすること、
夜勤に入る前には居室に伺って元気よく挨拶をすることを自分の中で続けていこうと決めました。
そんなことを自分なりに続けてしばらくしたある日。
とある利用者様が看取り状態となり、最後を迎えられるためご家族様が揃われていました。
あぁ、続けてきてよかった。
認めてもらえたのかな。
そう思えた瞬間でした。
介護の仕事は日々変わる状況に対して臨機応変に対応しなければなりませんし、誰にでもできる簡単な仕事だと思いません。
むしろ、感情的になってしまったり、慣れのようなゆるみが出てきてしまうことも多くあると思います。
その方のために自分なら何ができるのか、常にそんなことを考えながら仕事をするのは大変でもあるけれど、その分やりがいや達成感があると私は思っています。
なによりも私は人の為に働くことが好きなのだと再認識しました。
これからも小さなことかもしれないけど、コツコツ続けて頑張っていきたいと思います!
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