2021/09.03
介護未経験スタッフさんの就労話~本当に大切なこと~
今回のコラムでは、介護未経験スタッフさんが、初めて介護現場を経験してみて思ったこと、また嬉しかったことを素直な気持ちで話して下さいました。まだまだ若いスタッフさんなので、これからの成長に期待です!
私が介護の世界に飛び込んだのは、21歳の時でした。
当時の私は無資格・未経験でこの業界に入り、週4~5日仕事をしながら休みの日に資格取得の為講座に通い、半年かけて実務者研修を取得しました。
現在、介護職2年目(22歳/男性)介護老人保健施設にて日勤帯のシフトで働いています。
介護を始める方の多くは「小さいころから祖父母が近くにいた」「お年寄りと接する機会が多かった」という方も多いようですが、私の場合祖父母は近くに住んでおらず、お年寄りの方と関わったり一緒に過ごした経験はあまりありませんでした。
介護という仕事にイメージが湧かず、想像できないというのが正直なところで。
今思えば、まさに介護の仕事は右も左もわからない状態でのスタートだったなぁと。
そのような状況の中、未経験で介護職員として働くことはとても不安がありました。
とにかくまずはやってみよう!と思い実際に1年間働いてみて感じたことは、「経験がなくてもなんとかやっていけるものだ」ということでした。
こんなことを言うと、とても生意気に聞こえてしまうかもしれません。
資格や経験がある方の方が、利用者さんに対して適切な対応や判断ができますので必ず現場でも重宝されます。私はまだ様々なことを学ばせていただかなければならない未熟者です。
私がお伝えしたいのは「食事・入浴・排泄」といった介護スキルが高くて、早く業務を回せることだけが良いということではなく、必ず利用者さんとの「コミュニケーション」が大切なのだと感じたからです。
経験もスキルもまだ持ってなかった私はこの「コミュニケーション」をまず大切にしていこうと思い続けていたところ、何とかやってこれた。ということです。
ある先輩職員に「介護はサービス業だ」と教えてもらいました。この仕事は利用者さんに良い気持ちになってもらうということが大前提にないとダメだということでした。
実際に業務をしていると、どうしても利用者さんを待たせしてしまうことがあります。
例えば人手が足りない、スタッフ個々のスキルに差がある、常に状況が変わるのも介護現場での特徴ではあるので、大事なのはその時にどの様な対応を相手にするかなのだと思います。
私が感じたことは、誠実な対応(声をかけられたなら聞こえないふりをしない、困っていそうな時は自分から手を差し伸べる)をして、約束を守る(後でと伝えたなら、時間が経ってたとしても対応する。また来ますと伝えたなら顔を出すなど)という当たり前のことができるかということなのだと思います。
実体験として、私がいたフロアで誰にも気を許さないお風呂が嫌いな利用者さんがいました。
その方を機嫌よくお風呂に入れることは、ほとんどできないという日々が続いていたようですが、日頃からその利用者さんへ「誠実な対応」と「約束を守る」ということを私なりに続けていたある日、さりげないコミュニケーションを取っていると「今日お風呂入りてぇな」と話してくれたのです。
すかさず、その日1番最初にお風呂に入れるよう声掛けをしてみると、今までにみたことのないような笑顔で入浴されていたのです。
その日から、利用者さんはお風呂の日になるといつも1番先頭に並ばれようになりました。そして、その利用者さんに何かの介助で拒否があったときは、多くの先輩方がいる中で、大体私が呼ばれるようになりました。
介護業務のスキルは全くと言っていいほどなかった私ですが、利用者さんの立場になって考えて頻繁に声かけをしたり、何度も顔を出してコミュニケーションを取ることを心掛けるようにした所、私の介助を好んでいただけるようになりました。
そして、恐らく信頼関係が芽生えたので利用者さんも私のことを頼って下さったのだと思います。とても嬉しかったです。
今回の件で、介護のスキルはもちろん大切ですが、それだけではないコミュニーケーションの大切さを肌で実感することができました。
これからは介護スキルも身に着けつつ、常に利用者さんに寄り添える介護スタッフになりたいと思います。
これから介護職を検討される方にとって、私の経験談が少しでも何かの参考になっていただければ嬉しいです。
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